「AならばBであることを示せ」
という典型的な証明問題です。証明問題の場合、方針としては
- そのまま解く → 「AならばB」を示す
- 対偶を取る → 「BでないならばAではない」を示す
さて、それでは「A」と「B」を数学的な表現に直し、これらを結び付けなければなりません。P(x)がn次以上の整式と書いてあるので、これを一般表現で表すと
という感じになりますかね。で、これにをかけた結果として出た数式をと同じように
と表すとして、が全部整数ならば、も全部整数であることを言えばいいわけです。
そこまで分かれば、をガリガリ展開してをと整数かなんかで表現できればOK、となるわけですが、そううまくいかないのが東大入試問題の難しさ。この式、展開するのが超絶面倒なんです。(試験時間内にできるのか??) まずを多項式に展開してみますが、これは2項定理を使ってとなります。これとの多項式を掛け算しようとすると・・・うぉ、となる訳です。
で、どうすればいいかなんですが、の表現法はこれ以上変えようが無いので、を別方法で表現することを考えます。どう表現するかですが、はにをかけたものと無理やり見ることができます。当たり前ですね。更に、このはにを掛けたもので・・・と延々考えていくと思い当たるのが、そう、数学的帰納法です。が正の整数ってところもポイントですね。から順番に全て成立することを証明すれば、を表現したことになります。
で、の場合は
となることから、、=整数となります。の時に成立するとしたら、この時の式
をまたと見なせば、もと全く同じように計算できます。
正しい解答例は過去問集などで探してください。この数学的帰納法を思いつくかどうかがポイントですが、これは多くの問題を解いて慣れるしかないですね。「が正の整数」と書いてある時点で数学的帰納法が解答ツールの1つとして思い浮かぶまでになれば十分かと思います。